フランスでの修業時代、
お店に来た青年が迷いなくエクレアを一つだけ買い、
お店を出ると同時にそのエクレアを頬張っていきました。
常連のおばあさんは、
毎日少しのパンと少しのお菓子を買い、
マダムとのおしゃべりを楽しんで帰っていきました。
フランス人にとってパティスリー(ケーキ屋さん)は、日常のごく一部。
人々の生活の中に溶け込んでいる光景が、
私にはとても眩しく映りました。
特別な日にだけ食べるお菓子ではなく、
いつもそばにある、日々の生活の中に喜びを与えられるお菓子を作りたい。
フランスでの生活の中で、
そんなふうに思うようになりました。