Aboutつくりての想い

フランスでの修業時代、
お店に来た青年が迷いなくエクレアを一つだけ買い、
お店を出ると同時にそのエクレアを頬張っていきました。

 

常連のおばあさんは、
毎日少しのパンと少しのお菓子を買い、
マダムとのおしゃべりを楽しんで帰っていきました。

 

フランス人にとってパティスリー(ケーキ屋さん)は、日常のごく一部。
人々の生活の中に溶け込んでいる光景が、
私にはとても眩しく映りました。

 

特別な日にだけ食べるお菓子ではなく、
いつもそばにある、日々の生活の中に喜びを与えられるお菓子を作りたい。

 

フランスでの生活の中で、
そんなふうに思うようになりました。

そして思い返せば故郷の秩父には、
時には厳しくもある程の四季の鮮やかな移ろいがあり、
そんな環境だからこそ豊かな恵みがあることに気がつきました。

 

春には苺、夏にはブルーベリーやラズベリー、
秋にはぶどう、冬には柚子やレモン。

 

これらはすべて、
秩父の農家さんより摘みたてのものを仕入れ、
お菓子の主役へとなります。

 

本場フランスの味をそのまま伝えるのではなく、
秩父の食材を使ったこの地域ならではのお菓子を作り、
食べていただくことで、フランス菓子がお客様にとって、
もっと身近な存在になって欲しいと考えています。